成城の家

●設計事例の所在地: 
東京都
●面積(坪): 
169.08㎡(51.15坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

道路側外観。焼杉とそれと同材型枠のRC、同寸のベイスギ構成のボリュームが斜面に合わせて配置されています。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

計画地は都内の閑静な住宅街を横断する斜面が立地です。
斜面地ではありますが、勾配はなだらかで、隣接して斜面の上下を結ぶ坂道があり、雑木林からつながった自然美あふれるおおらかな環境でした。
建主からの要望は、斜面であることのデメリットを逆手に取ることはできないか、また住宅地内に存在する特異な自然環境を取り入れること、そして斜面の途中から遠望できる富士山への眺望でした。
ここでは、なだらかな斜面であると同時に細長く湾曲した平面をなぞるように内外の複数の床を置いていき、それらを内外で回遊できるように様々な階段で結んでいきました。モルタルの階段、木の詰まった階段、鉄骨の跳ね出しの階段、木の透けた大階段、オブジェのような家具と一体になった階段、デッキテラスの階段等、場所や用途・目的に合わせそれらから選択しレイアウトしました。
これにより単なる斜面に過ぎなかった場所が、眺望や採光・通風、セキュリティを考慮した開口部と相まって、いろんな高さで周辺環境と出会い建物の要所から富士山が望める居場所の連続となりました。周囲の高木の並ぶ雑木林に加え、建物周囲には中・低木や草花といった緑化を施し、視線の上下や遠近により変化する緑が楽しめるようになっています。また、隣接する坂道側には柵等がないので、道行く人にも緑と建物が一体になった景色を提供しています。
外装は濃い目の色味で周辺環境に溶け込みながら存在感を表す木の板目の素地と焼杉、それと同寸法に割り付けられた板目型枠のコンクリート打ち放しとし、内装は明るい色味で開放感を演出する無垢の木とワラスサ漆喰、珪藻土、天然石等自然素材を場所に応じて少しづつ変化させ用いています。
斜面足元の駐車場から斜面上方の子供室のロフトまで空間が途切れことなく時にループしながら流れるようにつながった環境呼応体感ハウスとも呼ぶべき住まいが住宅街斜面の森に立ち現れました。

その他の画像: 

隣接緑道より。段々のボリューム構成とそれに続く木デッキやモルタル階段と庭の回遊。

屋上木デッキテラス。奥の建物リビングからつながり、周辺緑に囲まれながら手前に富士山を望みます。

玄関。白大理石と奥の庭に続く玉砂利、ミラー収納により明るく開放的で広がり感があります。

玄関から少し上がったホビールーム。9ftビリヤードが競技できるスペースで、透ける大階段を通してダイニングと外部は木デッキとにつながっています。

ホビールームから少し上がったダイニングキッチン南より。大階段を昇ればリビング、隙間からホビールームとつながっています。

ダイニングキッチン北東より。リビングだkでなく少し下がったホビールームや木デッキその奥の緑ともつながっています。

和室。裏千家の茶室で、右手丸窓からは富士山が望めます。

リビング西より。少し下がったダイニングキッチン、少し上がったライブラリー、天井の構造梁の連続がわかります。

ライブラリー北東より見下ろし。いろんなレベルの居場所と外部空間とのつながりがわかります。

ライブラリー北より。リビングからの天井の流れが変わり奥の子供室につながっていきます。

設計者

ユーザー 一級建築士事務所田建築研究所 田中秀弥 の写真
オフライン
Last seen: 2時間 28分 前
登録日: 2012-07-24 10:26